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経済・政治・国際

キリンとサントリーが…

この話はここに書くことかどうか迷いましたが、とりあえず他のブログの内容ではないようなので書かせていただきます。

金融危機にはじまる業界再編の流れは止めようがないですね。それはどの業界でも同じこと。

かつて金融業界が「護送船団方式」とやらで、国が率先して業界自体を守ってきたことは皆さんご存じでしょう。でも、食品業界はもっと国ぐるみで守られてます。だから、これまで食品業界では大手の合併話も出ずに、共存共栄といえば聞こえはいいですが、過酷な競争をせずに生き延びてきました。

しかし、今回の金融危機に端を発する不況で、たくさんあった地ビール会社(ほとんどが零細企業)がバタバタつぶれてます。みんな割高のビールをやめて発泡酒やら第3のビールだかに流れているんですよね。

もちろん大手も経営環境がいいとはいえない状況ですから、今回のキリンとサントリーの話もうなずけないことはありません。そして、これからも業界再編が進むことは間違いありません。

この話が実現すると世界規模の食品メーカーが誕生します。ただ、それは「規模」だけで、真の意味で世界の食品業界を牛耳っているのは種子から作物、その流通までを握っている大手穀物メジャーであり、日本のメーカーは原料を握っているわけではありませんから、規模が大きくともその経営は結局穀物メジャーに左右されることになるわけです。

話が大きくなりすぎですが、本来食品産業自体は食料を国民に安定供給する観点から、国がしっかりした農業政策(実態ある食料自給率の向上)、流通政策、食の安全の確保を進めていかなければならないと思います。

キリンとサントリーは飲料中心であり、食品産業の基盤産業というわけではありませんが、その規模はかなりのものです。巨大な企業が誕生するのであれば、ますます国のかじ取りが大切になるような気がしてなりません。